第17回ゴー宣道場
『グローバリズムは歴史の必然か?』
『グローバリズムは歴史の必然か?』
動画はご覧いただけたでしょうか?
その質疑応答でも、
やはり原発関連の質問が出ました。
やはり原発関連の質問が出ました。
相変わらずいろんな情報が飛び交っていて、
真偽を見極めるのに一苦労ですが、
そんな中、私が最近気になるのが
「トリウム原発」というものです。
「WiLL」10月号でも堤堯氏が書いていますが、
あらゆる事態でも「重大事故」が起こらず、
廃棄物も少なく、しかも経済的という
夢のような原発があるのに、実用化されていない。
これを既存の原発に代えて導入すべきだ
…というのです。
あらゆる事態でも「重大事故」が起こらず、
廃棄物も少なく、しかも経済的という
夢のような原発があるのに、実用化されていない。
これを既存の原発に代えて導入すべきだ
…というのです。
で、堤氏を含め、トリウム原発を推す
ほぼ全員が挙げる文献が、
古川和男著『原発安全革命』(文春新書)。
これは読んでみなければと手にしたのですが、
悲しいかな私は完全文系人間。
おまけに毎月「ニコニコ生放送」に失敗するほどの
機械音痴ときているから、
科学理論的な事に関してはもう、
ちんぷんかんぷん、ちんぷんかんぷんオーイェー…って状態。
でも私は文章は読めます。
で、その国語力を頼りにこの本を読んでると、
何だか大きな「?」が浮かんでしまいました。
で、その国語力を頼りにこの本を読んでると、
何だか大きな「?」が浮かんでしまいました。
40年来トリウム原発を提唱してこられたという古川氏は、
いいことずくめのようなトリウム原発の
利点を次々挙げていますが、その一方で、
「できるものなら一刻も早く地球保全に
最適な再生型太陽エネルギー技術の
本格的な成熟を願っているが、
それには今後どうしても
四、五〇年は必要である」
と書いています。
つまり、
トリウム原発は太陽エネルギーに移行するまでの
4,50年の間の「つなぎ」
と考えておられるのです。
トリウム原発は太陽エネルギーに移行するまでの
4,50年の間の「つなぎ」
と考えておられるのです。
安全でいいことずくめのはずのトリウム原発が、
なぜ「つなぎ」にしか使えないのでしょう?
なぜ「つなぎ」にしか使えないのでしょう?
現在、トリウム原発は実験炉さえ存在しません。
古川氏は、中核となる専門家・技術者が2-300人必要で、
それを養成しつつ15-20年で実用開始し、
技術者を1万人くらいまで順次養成して
多数の炉を展開するというのですが、
「その後を太陽エネルギーに引き継がせる」
というのなら、
トリウム原発が使えるのは
せいぜい3,40年しかないわけです。
それって本当に「経済的」なの?
そもそも、そんな虚しい研究開発・運用に、
人が集まるのでしょうか?
私の頭の中は「?」の嵐です。
自然エネルギーまでの「つなぎ」なら、
飯田哲也氏が言うように、化石燃料を使えばいいのです。
天然ガスや石炭火力の技術革新は
最近目覚ましいものがあります。
古川氏は
「化石燃料は地球温暖化や資源枯渇の問題がある」
と未だに書いていますが、
CO2温暖化説はデマだということは
とっくに明らかになっているし、
資源量の問題にしても、シェールガスの開発などで、
今後数百年は心配なくなったというじゃないですか。
しかも
トリウムは、それ自体では
核分裂を起こさないのです。
中性子を吸収させて
ウランにして使わなければなりません。
ここが難しい技術だということは
古川氏も認めているようです。
京大の小出裕章助教は
「トリウム原発」の可能性を質問されて
「ありえません!」と即答しています。
「単なるウラン原発でさえこの有様なのに、
さらにトリウムをウランにするなんて
一工程加えなければならない技術が、
うまくいくわけないじゃないですか」
というのです。
私には、この言葉の方がストレートに納得できます。
トリウム原発がいくら夢の原発だと言われても、
あくまでそれは机上の話です。
トリウム原発を提唱している古川氏でさえ、
これから超小型実験炉をつくり、
「炉の全寿命間におよぶ運転体験」をして、
「見落とし・錯覚などの失敗を避けるため」
「実証・再確認し、技術を成熟」
させなければならないと書いています。
それならば「10-15年で運用開始」という
見積もりもかなり楽観的で、
何か「見落とし」があれば開発は大幅に遅れ、
完成した時にはもう完全に
太陽光エネルギーの時代になっている
ということもありうるでしょう。
見積もりもかなり楽観的で、
何か「見落とし」があれば開発は大幅に遅れ、
完成した時にはもう完全に
太陽光エネルギーの時代になっている
ということもありうるでしょう。
何だか、今から
「戦艦大和」を建造するような話です。
それでも古川氏は、
トリウム原発を世界展開することで、
1京(1万兆)円単位の超巨大産業が
創設できるとまで言うのです。
そして、この超巨大産業は
「頂点に達した途端に縮小後退を開始すべきである」
というのです。
私にはもう、何が何やら…。
とにかく、現状では
トリウム原発は机上の理論です。
机上では「絶対安全」だった
日本の原発が無残な姿をさらし、
机上では「夢の高速増殖炉」だった
「もんじゅ」が、実際作ってみたら
「覚めない悪夢」になってしまったのを
見てしまった以上、もう机上の夢に
希望を託すべきではないというのが、
一般人の常識というものだと思うのですが、
いかがなものでしょうか?
日本の原発が無残な姿をさらし、
机上では「夢の高速増殖炉」だった
「もんじゅ」が、実際作ってみたら
「覚めない悪夢」になってしまったのを
見てしまった以上、もう机上の夢に
希望を託すべきではないというのが、
一般人の常識というものだと思うのですが、
いかがなものでしょうか?
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